彼の手がキライ



「すみません、達也のやつ強引にここに連れてきたみたいで……」


「あ。いえ、大丈夫ですよ」


口角を上げて言うと、新井達也のお父さんは安心したように頬を緩めた。


足元に移動して、わたしの足を揃えさせた。


「両足の長さが若干ですが違いますね」


足の長さが違う?


そんなことがあるの?


「体が歪んでいるんです。足の長さが違うと、どちらかの足に体重がかかって腰にも負担がかかってしまいます」


足元から頭の辺りに移動してきて、寝た体勢のまま、わたしの頭だけを少し右にずらした。