彼の手がキライ



頭が痛くなることは、よくある。


けど、それがいつからなのかは分からない。


そんなの真剣に考えたことがないから――。



“頭痛”という文字を丸で囲んだ。


1ヶ月以上前なのは間違いないから“それ以上前”も丸で囲む。


書かなければいけないところは全て書いた紙を受け付けの女の人に渡した。


「頭痛か。多分、首の後ろを揉まれたら痛いだろうな」


いつの間にか右隣に座っていた新井達也。


彼の左手がわたしに近づく。


“何がしたいの?”と思った時、近づいた左手はわたしの視界から消えた。