彼の手がキライ



わたしの両親は離婚していて、今は母親と2人で暮らしている。


父親は、わたしの幼なじみの母親と再婚。


つまり、血は繋がってないけど幼なじみとはキョウダイみたいなもの。


わたしは――父親と幼なじみに逢いに行くためにここにきた。



閉まるドア。


動きだす電車。


後ろに振り向くと、窓越しに新井達也と目が合った。


すぐにそらしたけど。





今、新井達也なんてどうでもいい。


もう、話すことなんてないんだろうし。



早く、お父さんと幼なじみ……優羽くんの家に行かなきゃ――。