彼の手がキライ



わたしの頭から大きな手が離れる。


再び彼は前を向いて歩き出した。


わたしも新井達也の背中を追いかけるために歩き出す。


彼の歩くスピードが速くて、走らないと置いていかれそうになる。


――少し息が上がってきた頃。



新井整骨院と書かれた小さな建物の前にいた。


新井達也が言ったように、コンビニからすぐ。


近くなのに全く気づかなかった。


「ひっそりとあるんだね、新井達也のお父さんが働いている整体って」


「ん、まぁ、正確に言ったら整体院じゃねぇから“整体”って言うのは間違ってるんだけどな。整体院と整骨院はちょっと違うから」