彼の手がキライ



わたしのクラスの出し物は“映画”。


映画と言っても、そんな高度のものではなく、普通のビデオカメラで撮影したもの。


台本は、女子の委員長が昨日作ったと言っていた。


今日は、役を決めていかなきゃいけない。


みんな教室に残って、それを決めていっているはず。


本当は、わたしも話し合いに参加しなきゃいけないんだけど。


帰りのホームルームが終わってすぐ、ある男に引っ張られて学校を後にしていた。





「ねぇ、みんな役を決めていっているんだよ?わたし達行かなくていいのかな?」