彼の手がキライ



いつまでも暗い雰囲気を引っ張られても困るんだけどね。


テーブルの上にあったリモコンでテレビの電源を消し、家を出た。



ありがたいことに、学校はわたしの家からすごく近いから歩いていける。


電車に乗らなくてもいいし、自転車もいらない。


近いから、選んだような高校だし。


バイト代で買ったiPodで音楽を聴きながら両足を交互に前に出して、学校に向かう。




学校に着くと、友達に“オハヨー”って作り笑いで言った。


好きとも嫌いとも言えない学校生活の始まり。