彼の手がキライ



隣の布団では、お母さんが寝息をたてながら眠っているから、起こさないように静かに洗面所に行った。


顔を洗って、髪を直した後、制服を着た。


テーブルの前にあるテレビをつける。


マーガリンをぬったトーストを手に持って、テーブルに、パンを持ってない手をのせた。


サクッと、いい音がして、柔らかい生地が体の中へと入っていく。


テレビのニュースは政治や芸能人、犯罪、色々。


人が死んだとか暗い話題をした後でも、スポーツの勝敗なんかを熱く伝えているから不思議。


切り替えが早すぎて、違和感を感じてしまう。