そういえば、優羽くんもチロルチョコが好きだったような気がする。 幼稚園くらいの時、よく“あげる”って言って、渡してくれたっけ。 なぜかいつも、ミルクのやつだった。 優羽くんが好きだった味なのかも。 昔のことを思い出して、クスッと小さく笑ってしまった。 後頭部がハゲているおじさんには変な目で見られたけど、平気。 少しフワフワとした気持ちで時間はあっという間に流れていき、今日のバイトは終わった。 空は暗いけど、周りはそんなに暗くない道を通って帰った。