彼の手がキライ



「色々とためすぎているから疲れた顔になっているって言うの?」


自分の左隣に置いていたピンクと黒のチェックのバックを、膝の上にのせながら訊く。


「せいかーい。
心が疲れている時は体もしんどくなるんだ。

心と体は繋がってるんだよ」


心と体?


繋がってる?


頭から新井達也の手が離れた。


彼は離れた手を自分の首くらいの高さに持ってきた。


女のわたしとは違う、大きくて皮膚が堅そうな手のひらを見せてくる。



「少しだけ、楽にさせてあげようか?」