彼の手がキライ



顔は足元に向いたまま、視線だけを新井達也に向ける。


視線の先にいる彼はわたしの頭に手をのせ、上から下に、また上から下に。


頭を撫でるのは新井達也のクセなの?


なんかもう、どかすのがめんどくさい。


振り払っても、どうせまた撫でてくるんだろうし。


それに


キレイな顔の彼の手を、気持ち悪いとは思ってない。


顔じゃないか。


多分、彼の雰囲気が嫌いじゃないんだと思う。


うざいけどね。


うざいけど嫌いじゃない、って自分でも何故そう思うかはよく分からないんだけど……。