彼の手がキライ



わたしは、離婚は間違いじゃないと思う。


あのままだったら、お母さんが苦しんでいたと思うから。


だから、優羽くんのお母さんが罪悪感を感じる必要なんてないのに――…。


自分でも眉間にシワが寄っているのが分かる。



「そうね。お父さんをいつまでもほったらかしにするわけにはいかないものね」


わたしが言ってからちょっと間が開いたけど、優羽くんのお母さんは“じゃあ、ゆっくりしていってね”と男の子3人に言ってリビングに行った。



わたし達は、玄関から少し離れた和室に入る。