彼の手がキライ



「和之と矢沢が仲良くなって、たまにこの辺に遊びに来るオレと矢沢も仲良くなったわけ。あ、お前じゃねぇよ?」


分かってるってば。


アンタとわたし、別に仲良くないもん。


「だから、オレは矢沢の家にいる。あ、お前じゃねぇよ?」


分かってるってば!


「新井達也!アンタしつこい!」


なんっかい同じこと言ってるの!


首の後ろをわざとらしくかいていたはずの新井達也の手は、いつの間にかお腹の上にあった。


なんて失礼なやつなの!?


「ははっ!――わりぃわりぃ。ついおかしくて」


全然おかしくないし。