彼の手がキライ



黒くて短い髪、優しそうな雰囲気の人が“希莉”。


ふにゃふにゃと笑っている緩い雰囲気、ツンツンとした茶髪の人が“和之”。


優羽くんのお母さんが、今2人をそう呼びながら会話しているから分かっただけなんだけどね。


で、もう1人は――…。


「え!?」


あれ!?


大きめの一重の目に、鼻筋が通っているキレイな顔立ち。


見たことがある顔。


――というか、ついさっき電車で会ったアイツ!




「あ、新井達也!」



優羽くんのお母さんと、男の子3人が一斉にわたしを見る。