彼の手がキライ



だから、昼食なのに手の込んだものを作ってくれているの。



少し会話をしながら、皿に入っていたおかずを食べていく。


もう少しで食べきれそうな時に


“ピンポーン”と


家の中にインターホンの音が響いた。


「誰かしら」


箸をテーブルに置き、玄関にパタパタと走っていった優羽くんのお母さん。


お客さんかな?


わたしには関係ないけど。



一口分残っていたジャガイモをパクッと食べて、自分の前にある、いくつか皿を重ねた。


台所まで持って行って、皿やお椀の中にジャーッと水道水を入れる。