彼の手がキライ



わたしの頭の上にあった彼の右手がいつの間にが彼の顔を覆っている。


「幸せとか言われたら、照れる、恥ずかしい」


そんなこと言われたらこっちが恥ずかしくなってきた!


「タツのバカ…」

「ありがとう、俺を幸せにしてね」


人を幸せにしたいなんて思う心の余裕ずっとなくて、ただただ空っぽの心がずっとあって。


今はもう大丈夫。


勝手に笑顔になる自分がいる。




これから先も何かあるかもしれない。


でも、きっとタツと一緒にいたら大丈夫、乗り越えていける。


唇がそっと触れる。




雲が流れる、風が優しく吹く。


「わたしこそ、ありがとう。これからもよろしくね」


優羽くん、今、莱ちゃんも周りの人もみんな幸せだよ。


みんなの中で優羽くんは生きてるから。


みんな前を見て歩いていくよ。












【完】










この作品を最後まで読んで下さりありがとうございます。


この作品は6年以上前に書き始めた作品で、途中スランプに陥り、それから5年ほど野いちごから離れていました。


更新が止まっている間もずっと本棚に入れてくれている人がいて。


最後まで書きたいなと思い、書き始めから月日がだいぶ経っていますが、更新を再開しました。


好きだった作家さんが書籍化されていたり、もう野いちごを離れていたり、いない間に色々なことが変わっていました。


また初心に戻って、自分らしい作品を、自分が書きたい作品を書いていこうと思います。


初心の1歩が、この作品の完結です。



嬉しいことに野いちごのオススメに選ばれました。


僕のカラダの『使用期限』でオススメに選ばれた時もそうだったのですが、こうして色々な方に読んでいただける機会が増えるのはとても嬉しいことです。


野いちごさん、ありがとうございます。





ここまで読んで下さり、ありがとうございました。


積でした。