「タツ…」


よく分かんない、涙が出てきた。


タツの体温、言葉に癒される、心がポワーって軽くなる。


「だから美羽、そばにいてよ、ずっと」





最初は失礼なやつだなって思った。


こんなに優しい人だと思わなかった。


クラスの人気者でモテる彼がなんでわたしに構うのか分からなかった。


理由を聞いて、施術してもらって、抱きしめてもらって。


タツの手が温かくて独占したくて、でもそうはならなくて。


そういうのもあって、タツの手嫌いって、言っちゃったこともあって。


タツの背中に手を回した。


とても心が満たされていく感覚。


身体が温まって、心も温かくなる。


心と身体は繋がってる。


空っぽだった心が満たされた気がした──