彼の手がキライ








ピンポーン


インターホンを鳴らすと、優羽くんのお母さんが出てきた。


いつもの緩く巻かれた髪がふわふわと揺れている。


「あら、美羽ちゃん…と、達也くんね。珍しい組み合わせね」


フフッと口元に手を当てて笑う姿が可愛らしくて、わたしもこういう可愛いらしい女になりたいなーっていつも思う。


「今日は優羽の誕生日だから、来てくれて嬉しいわ。みんなが来てくれて、優羽きっと喜んでるわ」


みんな?


みんなって、他にも誰か来たのかな?


“さあ、入って入って"と言われて玄関を通される。


玄関の靴を見ると普段見ない赤いのパンプスが揃えて置いてある。


新しい靴でも買ったのかな?