彼の手がキライ



隣にいるタツの腕は細いけど男の腕って感じ。


初めて電車で会った時を思い出す。


あの時は、なんだこのヒトは、と思ってたけど。


「そういやさ…」

「はっ、はい!」


ボーッと色々思い出してたから、突然話しかけられてビックリ。


「ははっ、絶対ボーッとしてただろ?」

「してない!」


はー、本当に自分可愛くない。


ボーッとしてた♡とか言った方が可愛いよなあ。


「まあ、そのことはいいや。…いや、今は希莉ってやつが莱と付き合ってるんだけどさ、そいつが『莱が優羽の記憶取り戻したら捨てられるかも』って言っててさ」