彼の手がキライ



「嫌いだったら拒否すればいいのに」


タツの手はわたしの頭から離れない。


「タツの手が触れてたら涙出てくるの!」


タツはわたしを見て口角を上げて笑う。


「それが俺の手が嫌いな理由か。それは立派な褒め言葉!気が済むまで泣けよ」


いつでも口ではタツに敵わない。


「矢沢の家一緒に着いてきてくれる?俺が美羽と一緒に行きたいんだ」


わたしは首を縦に振った。