彼の手がキライ



「あの時、矢沢の家で美羽を見たときは、まさかここまで関わるとは思わなかった。それまでいつもしんどそうな表情をしてる子っていう印象しかなかったからさ」


前、電車で言われた言葉を思い出した。


“疲れた顔してんな"


あれはタツのわたしのイメージだったのか。


「矢沢のことも含めて美羽の家の事情知って、この子ほっとけないなって思ってさ。たくさん色々なもの抱えていつもしんどいのかなって」



目頭が熱くなった。


と、同時に雫が頬を伝った。


急いで手の甲で涙を拭う。


こんなこと今まで言われたことがなかった。