でも、力加減がちょうど良くて気持ちいい。 これずっと続けてもらったら眠っちゃいそう。 「タツの手、気持ちいい」 さすが整骨院の息子だね。 「将来あの整骨院継ぐの?」 「一応そのつもり。高校卒業したら専門行って資格取る予定」 そっか、やっぱりそうだよね。 「あっ、そうだ」 手を止めてタツが話す。 「話変わるんだけどさ、今度、矢沢の家に一緒に行かないか?」 その言葉にビックリして枕から顔を上げて振り返ってタツを見た。 「矢沢の家に行くのにも交通費かかるだろ。俺が交通費出すから」