彼の手がキライ



「お母さんのこと大変だろうけど、何か協力できることがあったらするからさ」


この人はなぜこんなにわたしに構うのだろうか。


彼女がいる男はこんなに心に余裕があるものなのかな。


「ありがとう、タツ」


またな、と手を上げてタツは教室へと戻っていった。