彼の手がキライ



揉んでいた手が止まり、パンっと軽く肩を叩かれる。


足元から伸びた影が目に入る。


2人の影が重なってる。


「大丈夫、とって食べたりしないから」


なっ!なんてこと言うの!?


後ろを振り返るとタツが舌をペロッと出した。


親指でわたしの唇を左から右へとなぞる。


ビックリして身体ビクッとなった。


「今日の美羽いつもより可愛いよ。体育館で見たときちょっとビックリした」


あの時目が合ったのは気のせいじゃなかったんだ。