彼の手がキライ






文化祭も無事終わり、後片付けも終わった。


なんだかんだ楽しかった。


後片付けを終えてみんな教室でわいわいしてる。


クラスのみんなで打ち上げしよー、って大きな声が聞こえる。


「美羽!打ち上げ参加するよね!?」


ぴょんぴょんと跳ねながらマリンが言う。


「ごめん、わたしちょっと出れない。参加したい気持ちは山々なんだけども…」


文化祭だからもちろんバイトは入れてない。


だけど、お母さんの体調が悪いのがどうも気になって、早く帰りたい。


カバンに化粧ポーチやケータイを詰め込む。


授業がなくて、教科書が必要ないからカバンはとても軽い。


カバンを右肩にかける。


「えー!残念…帰っちゃうのか」

「うん、ごめんね」