彼の手がキライ



「すっごく良かったね!面白く出来て良かった!」


マリンがぎゅーっとわたしに抱きついて、わたしの背中を手でバタバタと叩く。


「わー!分かったからマリン落ち着いて!」


はーい、と言って素直に身体を離した。


「あっ、見て見て!新井くん下の学年の女の子に話しかけられてる~!さっきも違う子に話しかけられてたのに!」


マリンが指さす方を見ると、タツと背の低い前下がりのボブの女の子と話していた。


ニコニコと楽しそうに話してる。


本当にモテる男。


なんでこんな人がわたしに構うのだろうか。


不思議で仕方ない。