「主役は新井くんに決まってるじゃーん!やっぱりそこはクラス1のモテ男じゃなきゃダメでしょ?」


カーテンがまたボサッとわたしの顔を覆う。


でも、今度はどかさない。


というか、カーテンより主役が新井達也ということにビックリして、それどころではない。


「美羽~?」


マリンがカーテンをめくって顔を覗きこんできた。


「何固まってんのよ。新井くんが主役なのに文句あるわけ~?」


「や、別にそんなわけじゃないよ!」


新井達也と電車で会うまでのわたしだったら絶対にスルーしてるのに。