「チョコ、甘いだろ?……ごめんな、暗い話しちゃって。早く帰ろうぜ」 なんで謝るの? あんたは悪くないじゃん。 「謝らないでよ。優羽くんを思い出して欲しい気持ちはわたしだって持ってるから」 眉を下げてフッと緩ませた新井達也の表情がなんだか切なくて胸がキュッてなった。 それから何も言葉を発しないまま彼は歩き始めた。 ただ彼の背中を追いかけた。 気づいたら家の玄関にいた。 いつ新井達也と別れたっけ? 家に帰るまでの記憶がない。