彼の手がキライ



新井達也の言葉に、いつもわたしが負けてしまう。


さすがに新井達也と親しくないわたしも……。


「ほっとくことは……出来ない」


「だろ?だから送るんだって」


絶対に彼女と口ゲンカしたとしても負けないんだろうね。


唇をゆっくりと動かして、ボソボソと聞き取りにくい声で自分んちの場所を説明した。


“絶対に聞き取れてない”


そう思っていたけど彼はしっかりとわたしの声を聞いていたみたい。


手こそ繋いでないけど、歩くペースを考えて家の方向に歩き出した。