俺は、空き教室から出ると、すぐに近くのアフレコ現場へと向かった。



最近の仕事は、アニメのアフレコばかりだった。



顔馴染みの先輩ばかりで、その中でも俺と一つしか変わらない、綾崎先輩。



綾崎先輩とは、良く一緒の現場になる。同じアニメのオーディションを受けるから同じ現場になるのは当たり前なのかもしれない。



主に、青年の役ばかりしていて、必ず俺よりも年上の役ばかりだ。



俺の声は、昔練習したお陰か、少年の声も出せるようになった。



だから、幼い少年時の時もやらせてもらっている。



良く、雑誌のインタビューで、なんで声優になったかなんて聞かれるけど、答えはいつも憧れてたからと答えていた。



自分以外に、なれるなんて良いって思った。