群がっていた奴らは、目を見開いた。 …こいつ。 その後、その宝石はあの旅館の秘宝となったらしい。 「女将になんて言ったんだ?」 いつもの裏庭。 二学期の始業式をサボろうとした俺は渡り廊下にいた蒼に問いかけた。 「頭の回転が早いアタシは、組み立ててって言ったの。壊れた破片を全部集めてね。」 クスクスと得意気に笑う蒼。 何故、神様はこのナルシストに頭の回転の良さをあげたんだろうか。 俺は溜め息をついた。 予鈴が鳴る。