「ねー稚尋」



「……ん?」




 なんか、雰囲気変わったね。


 澪はそう言おうとして、慌ててその言葉を飲み込む。



 別にいい。


 いくら雰囲気が変わっても、ずっと一緒にいてくれるならば。




「ううん。なんでもない」


 ずっと、このまま時間が止まっちゃえばいいのに。


 そうも思った。


「…………澪?」



 稚尋が優しい瞳で澪を見てる。


 なんか、今更だけど。




 恥ずかしくなっちゃうね。


「……ありがとう」



 暎梨奈の事も、全部全部、稚尋が私を変えてくれたんだよ。


 受け入れなくちゃいけないことも全部、受け入れるから。



 例えそれが、仕組まれた事だとしても。






「なぁ……澪」



「……え?」



 澪を抱きしめていた稚尋は、澪を放し、言った。



「日曜日、デートしようか」