「なぁ、姫……俺、姫が好き」





「……は?」



 何を言い出すんだ? 突然、この人は。







 その澪の言葉に、稚尋が口を開いた。










「…………前から知ってたことだろ?」










「…………!」













 その言葉に、耳たぶまで真っ赤になるのが自分でもわかった。







 この人は……羞恥心がないのだろうか? そう不審に思ってしまう。






 稚尋が不意に立ち上がり、澪の手首を掴んだ。






「ちょっ……」




 そのまま、抱きしめられる。





「俺、言ったじゃん……本音」




「……え」




 あ。って、本当に?!












 澪の腕時計は、午後六時をさしていた。








★二人の気持ち


【END】