「ねぇ、先輩。今日はどこに行きますか?」 放課後、信也先輩と待ち合わせて学校を後にする。 ウキウキとした気持ちが抑えきれなくて、あたしの声は弾んだ。 「幸は行きたい所ある?」 あたしはしばらく考えたけど、どこに行っても楽しくなってしまうと思った。 「信也先輩となら、どこでも良いです」 本心から出た言葉。 思わず言ってしまったけど、少し恥ずかしい台詞だったかな。 信也先輩はその凛々しい瞳を優しく細めて、あたしに微笑んでくれた。