「勝手にしなさい!」 扉の向こうから父の怒鳴り声が聞こえた。 見放されてしまった、なんて思いよりも。 有り難く勝手にさせて貰おうって、わずかにスッキリとした気持ちが起こった。 ゴロンとベッドに転がると、信也先輩にメールをした。 カチカチとメールを打つ音が、妙に大きく部屋に響く。 メールを何通か交わして、明日のデートが決まった。 あたしにしては頑張って、会いたいよってメールをしたから。 明日もきっと、帰りは遅くなるだろう。