「足りないんだもん」 その言葉に父は不満げな顔をした。 「子供なんだからそんなに必要ないだろ」 そんなの納得いかない。 父はイマドキの女の子を分かってない。 「お父さん達とは時代が違うんだよ! バイト認めてくれないならお小遣値上げしてよ!」 あたしはそう言い放って席を立った。 食卓を出ようとするあたしの背中を父の声が追ってくる。 「子供のうちに少ない金額の中でやり繰りすることを覚えなきゃならないんだ」 あたしはそれを無視して自分の部屋に向かう。 父はやっぱり分かってない。