「……待ちくたびれた」


そう呟いて、祐司はあたしを抱きしめた。

どうしよう。
凄く嬉しい。

あたし、また祐司の側に居られるんだ。


あたしも祐司の背中に腕を回し、ぎゅうっと力をこめた。


男は力で女を征服しようとするって、失望したこともあった。

だけどそうじゃない。

あたしを包むこの腕は、あたしを守ってくれるんだ。

そしてあたしはこの背中を、ずっと支えたいと思った。