そのままあたし達は他愛のないお喋りをしながら、あたしの家までの道を歩いた。

家に着いてあたしが玄関に入るのを見送り、祐司は手を振る。


別にやましいことはないんだけど、あたしはコッソリと家に上がる。

父も母もキッチンに居るようだ。

いつも母が声をかけてくるけど、今もし声をかけられたら動揺してしまう気がした。

あたしは静かに部屋に入り、しばらくぼんやりと今日一日を思い返す。


あたしを見送った祐司の優しい笑顔が、ずっと瞼にチラつく。


ぐしぐしと目をこすり、キッチンに下りて行った。