世界中の誰よりも

でもアヤもマキも案外サッパリした性格をしている。

例えあたしが今後あまりツルまなくなったとしても、変わらない接し方をしてくれると思う。


｢幸、帰ろう｣


愛美の呼ぶ声がして、あたしは振り返り笑顔を向けた。


｢今行く！｣


愛美と加奈子と、他愛ない会話で盛り上がる放課後の廊下。

懐かしいな。
そんなに前のことじゃないのに。

あたしは改めて二人と居る空間に感動しながら玄関に向かう。


｢幸、今日は来てたのか｣


聞き慣れた低い声を背中に受けて、あたしは振り返る。