その音はただ着いて来るばかりではなかった。

しだいに大きく、早くなる。


いよいよ恐ろしくなったあたしは早足になり、ケータイを探す。


誰か。
連絡しなくちゃ。

でも、誰に?


祐司の顔が浮かんだけれど、真っすぐ帰れという言い付けを破ったのはあたし。

だめだ。
祐司には言えない。

怒られることが嫌なんじゃなくて。
呆れられることが怖かった。


だけど、そしたら誰に助けを求めれば良いんだろう。

アヤ、マキは彼氏と居るかも知れないし。

他校の友達なんか頼れない。

ましてや愛美も加奈子も、頼れるわけない。