世界中の誰よりも


もう、いいや。
なにもかもどうでもいい。

大袈裟かもしれないけど、あたしはこの世界全てに対して否定的な気持ちになった。

こんな世界、無くなってしまえば良いのに。

だけどそんな風に思ったって、明日は容赦なくやってくるし、あたしは存在し続ける。


あたしは不意に持っていたファッション雑誌を閉じ、するりと鞄に入れる。

何食わぬ顔で本棚の間を抜け、自動ドアをくぐった所でぐっと腕をつかまれた。

びくんと跳ねる肩。

あたしはゆっくりと振り返る。