美紗は


突然


『もう楓とは寝たくない』と言ったんだ


「『寝たくない』って男のプライドをズタズタにしたよな?」



「それはっ……」


美紗は少し大きな声を出してから


「だって楓の求めてたモノって

私には ないんだもん……」


「ぼく、何か変なプレイを求めましたか?」


「………ふざけないで
楓だってわかってるでしょう?

楓は私を好きじゃなかった

ただ寂しさを吐き出したかった

でも、私は違う

私は楓と恋愛がしたかった

だから、別れたんだよ?」




美紗の こういう


真面目に答えてしまうところ



ぼくは 重たい



「楓が ちゃんと恋愛できるようになったら

私は楓とやり直したい」



なんで 今夜に限って

こんな話


いつも みたいに


何気ない世間話を聞きたかったのに



ふぅ―――――――っと
深く息を吐いてから


「終わった事だよ、美紗

ぼくと美紗は従姉妹だ

それ以上でも以下でもない」