「……どうしたの、突然」 辻さんが去ったあと、先輩が口を開く。 「あ……、別にたいした用じゃなかったんだけど」 確かにそう。 森谷の“彼女発言”で、変な方向に盛り上がったあの場から逃げ出したくて、ここに来たんだから。 「あ、そうそう。あのね、今日は一緒に帰れないの」 ピアスを開けに行くから一緒には帰れない。 それを思い出して、あたしは取ってつけたように言う。 「何か用事?」 「うん。ピアスをね、開けに行くんだ」 「……ピアス?」