若かりし頃のお兄ちゃんは、爽やかでキラキラ輝いていたような記憶があるけれど。 今はもう、そんな面影はゼロで、むしろ脂でテカテカ光ってそう。 嫌な妄想はどんどん大きくなってしまって。 あたしのなかで“彼”は、女子が最も嫌うオヤジ像になっていたんだ。 それが…… オヤジどころか。 ――やばい。非常に、やばい。 会った瞬間。 あたしは動揺のあまり、自分の心臓がからだじゅうを飛び跳ねているかのような錯覚に陥った。 とにかく、平常心を装うのに必死だった。 ……あまりにも、カッコよすぎて。