次第にあたしの方がイライラしちゃって。
学校が休みのたびに、事前にお母さんに聞きだした情報をもとに“彼”を捜し回った。
ファミレスの厨房で勤務している斉藤雅人、三十代。
そして、中学二年の終業式の日。
四軒目の店で、あたしはようやく“彼”を見つけ出したんだ。
“奈緒……ちゃん?”
……ビックリした。“彼”と会って。
あの頃は若かったお兄ちゃんも、三十代。
三十代の男っていえば、あたしのなかではもうオヤジの域だ。
あたしが思い浮かべていた、三十代の彼の姿といえば。
ファミレスの厨房で働いているっていうから。
高カロリーな店の料理ばっかり食べているだろうから、間違いなくメタボ体型。


