まだ何か疑っている様子のお父さんは、あたしをじっと見据えている。
「あー……、そうだった。宿題しなきゃ。山のように出ているんだった」
これ以上なにかを追求されたら、先輩と付き合い始めたことをポロリと言ってしまいそうで。
まだパフェが残っているというのに、あたしは逃げるようにして自分の部屋に行った。
翌朝、あたしは学校に着くなり、真っ先に森谷のところに足を運んだ。
先に登校していた森谷は、澄ました顔でiPodのイヤホンを耳に嵌めて音楽なんか聴いちゃってる。
あたしは薄ら笑いを浮かべながら後ろから忍び寄り、イヤホンを勢いよく取り上げた。
「……っ! なにすんだよ」
ムキになってあたしの手からイヤホンを奪い取る森谷。
「土下座。してくれるよね?」
「はあ?」


