ブチブチッと、脳内で何かが切れる音を聞いた、ような気がした。
あたしはイヤホンを森谷に投げつけ、苛立ちを放出させるかのように怒鳴りつけた。
「絶対あんたを土下座させてみせるから!!!!」
「無理無理」
返ってきたイヤホンを耳にはめ込みながら森谷は言う。
「あんた、今日の放課後、教室で待っていなさいよ!? 土下座の準備して!!」
「………」
シャカシャカと、イヤホンから漏れる音がむなしく聞こえた。
いきり立つあたしのことなんか、まったくスルーですか。
へぇ、そうですか。
目を閉じて音楽を聴くことに集中している森谷。
あたしは、その澄ました横顔に向かって、思い切り舌を出した。


