†Orion†〜Nao's Story〜



自己紹介し合ったあとに、ほんの少しのあいだ沈黙が流れる。

そして、沈黙を破るかのようにして訪れたのは、お父さんと森谷の、“わははは”という棒読みな笑い声。



「も、森谷、学校行くよ! お、お父さん、じゃ、行ってきますっっ」



あたしは慌てて、お父さんと森谷を引き離し。

森谷の腕を掴んで、早歩きで家から離れた。



「………」


「………」



改めて。

あたしはまた大きく深呼吸をして、自分を落ち着かせる。



「……好き。……これでいいでしょう?」



告白してるってのに、あたしは口を尖らせ、ふてくされたような態度を取る。