†Orion†〜Nao's Story〜



すぐに反応したあたしに、お父さんは幸せに満ちた顔で頷く。



「ほんとうっ!? 赤ちゃん!?」


「そうそう。昨日帰って来たときにさ、優菜が打ち明けてくれてさ」


「え? あたしたちには何も言わなかったよ?」



お母さん、妊娠の“に”の字も言わなかった。

いつものように、普通に夕食食べて、くつろいで。

体調も悪そうには見えなかったし。



「いや、本当はさ、朝食のときに話そうってことになっていたんだけど……」


「嬉しくて嬉しくて、いま話さずにはいられなかったってわけね」


「まぁ……そうだな」



嬉しそうに笑うお父さん。

あたしも、同じように嬉しい。