お父さんの言葉に、とうとう涙がこぼれてきた。
あたしが万引きしたって思っているから、警察を呼べなんて言ってるんだ。
この事務所の中で、あたしにいちばん近い存在でもあるお父さんにまで疑われていることは、とんでもなくショックだ。
だけど……
あたしがお父さんにつけた傷は、きっとそれ以上に違いない。
「本当にいいんですか?」
確認しながらも、店長は受話器を手に取る。
「はい、お願いします」
「お父さ……」
きっぱりと言うお父さんに、あたしの心はバキバキと音を立てて崩れていく。
涙が止まらない。
止め処なく溢れてくる涙を拭っているあたしに、お父さんは言う。


