「母は仕事中ですので、ケータイに電話してください」 店長はあたしに教えられた番号に電話をかける。 だけど。 「……出ないなぁ。留守電にもならないし」 何度かけても、お母さんに繋がらない。 こんなときに限って……。 だから“留守番電話サービス”に登録しとけって言ったのに。 ケータイ本体の留守電機能は録音件数も少ないし。 設定と解除をこまめに繰り返すお母さんは、時々、留守電に設定するのをうっかり忘れることがある。 「お父さんのケータイは?」